今回はデジタルで色を塗るときにやっておくとうまく塗れるようになる「下塗りをする」という工程についてご紹介します。
塗り方のテクニックは色々あっても、まずは基本として知っておいていただきたい。
面倒でも事前にやっておくと後々楽だしうまく見えるという点では、以前記事にした「レイヤーをわけろ」の記事と同じですね。
▼レイヤー分けると上手に描けるよ!
下塗りとはつまり、「塗りたい色を塗りたい箇所にそのまま塗る」のではなく、「塗りたい色を塗る前に、下地としてあらかじめ色を塗っておく」ということ。
もちろん下塗りなんてしなくてもカラーイラストはできますし、上手に塗る方はたくさんいます。
ただ初心者さんが「塗りたい色を塗りたい箇所にそのまま塗る」と、きっちり塗っておらず汚く見えてしまったり、適当に塗っているように思われてしまうことが多いんです。
せっかく塗ったのにそんなふうに思われるのは嫌やんな
じゃあきっちり塗ればいいんだ!と言っても「塗りつぶしツール」のみだとのっぺりして物足りない…。
個人的には塗りつぶしツールのみで仕上げたイラストはすきですし、実際よくします。
▼塗りつぶしツールのみで仕上げたイラストの例
あえて塗りつぶしツールのみで仕上げてる人じゃなくて、初心者さんの場合の話ね!
下塗りをすると、影やグラデーション、ハイライトなど重ねるのがとても楽なので、立体感が出てのっぺり感も防げるんです!
今回のやり方はアイビスペイントで説明しますが、デジタルであれば着色の際「下塗りをする」という工程はぜひ取り入れてみてください。
こちらのイラストを使用して説明していきます。
▼アイビスペイントで使える!
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下塗りのメリットと具体例
メリットはなんと言っても上から色を重ねるのが楽ってことやな!
え?それだけ?
簡単、なのに適当でもうまく見える!!
ほぅ!?
なぜ色を重ねるのが楽になるのか簡単に説明すると、下塗りしたレイヤーの上に新規レイヤーをつくり、それを下塗りレイヤーにクリッピングするからです。
詳しいやり方やポイントはあとから説明しています。
▼レイヤーがわからない人はこちら
クリッピングのおかげで、新規レイヤーに描いたものは下塗りレイヤーに描いたものからはみ出さなくなるのです。
いちいち細かい部分のはみ出し気にしてチマチマ塗らんでもええってことやな!
あとから消しゴムで消す手間が省けるのは時短にもなるね!
▼クリッピングがわからないひとはこちら
つまり何ができるのか?
具体的な例を出して紹介していきます。
頬や唇
エアブラシなど、輪郭がフワッとしているブラシで色を重ねます。
はみ出しも気にしなくていいので、適当に塗るだけでもこのように頬や唇を色づけることができます。
瞳
ベースに塗った色の上から、瞳の暗い部分をいくつも重ねています。
その上からさらにハイライトも入れていたりするので難しく感じるかもしれませんが、実際は適当に色を重ねているだけだったりします。
▼誰でもできる簡単な目の塗り方はこちら!
影
赤で囲った部分の影も、エアブラシで適当に色を重ねただけです。
影があると、立体感やリアル感が増しますよね。
細かい髪の影も、下塗りレイヤーからはみ出さずに塗れます。
エアブラシでグラデーションをかけて、さらにその上から新たなレイヤーをクリッピングして細かい影を描いています。
ハイライト
例えば髪のハイライト。
髪色の下塗りの上から大胆に色を重ねて、少し調整しただけですが、このようにわりといい感じに見えます。
完成したイラストがこちら。
工程がプラスされることで面倒が増えるのではなく、逆に簡単に、適当にしても綺麗に見えるようになるのがわかっていただけたと思います。
下塗りのやり方とポイント
①塗りつぶしツールで広範囲を塗ります。
細かい部分はブラシなどで塗り残しがないようきっちり塗りましょう。
みんな知ってる基本の塗り方だね!
塗るときのポイントが大事やで!
● 濃い色を塗る!
塗りつぶしたときに、濃い色だと塗り残しがわかりやすいため。
肌の色を塗りつぶしツールで塗って拡大してみました。
きれいに塗れているように見えますが、拡大してみると塗り残し部分が多いんです。
塗っている色が薄いため、塗り残しが目立たず見逃してしまいがちなんですね。
このように肌の色を濃くすると、塗り残しがわかりやすくなります。
ブラシなどで隙間を埋めて塗りつぶしたら、
レイヤーの色変更機能で好みの色にしましょう。
▼レイヤーの色を変更する方法
塗りたい色が薄い色ばっかりなら、最初に背景の色を濃い色に塗っておくのも手だね!
とにかく塗り残しがないことが重要やからな!
②下塗りレイヤーの上に新規レイヤーをつくります。
新規レイヤーを下塗りレイヤーにクリッピング。
▼クリッピングとは
例えば髪をグラデーションにしたいとします。
新規レイヤーに描いたものがこのように大幅に髪部分をはみ出ていたとしても…
クリッピングのおかげで、下塗りレイヤー以外の部分には色がつきません。
今回のイラストは、さらに上に影用に新規レイヤーをつくり、クリッピングしています。
その上にハイライト用のレイヤーも重ねているので、下塗りレイヤー大活躍ですね。
重ねることで色が複雑になって、深みが出たね!
あとがき
そんなわけで「下塗り」についての記事でした。
デジタルでカラーイラストを描く場合、個人的にとても重要な工程だと思いますし、初心者さんならとくにやった方がいいです。
こういう「塗り方の基本」になる記事をベースにして、細かいテクニックに関しての記事も増やしてくよ!
具体例で出した項目の詳しい塗り方解説とかな!
今までしたことがなかった人は、ぜひ取り入れてみてくださいね。
それではっ。